研究開発
特許
特許3372180 | 焦電型赤外線検知素子及び焦電型赤外線センサ |
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特許4067845 | マグネシウムニオブ酸リチウム単結晶およびその製造方法 |
特許4113004 | 圧電基板用単結晶、それを用いた弾性表面波フィルタおよびその製造方法 |
特許4301564 | 圧電性酸化物単結晶の帯電抑制処理方法、および帯電抑制処理装置 |
特許4789281 | 弾性表面波フィルタ及びその製造方法 |
特許6169759 | 弾性表面波素子用基板及びその製造方法 |
研究開発関連補助金
1975 (昭和50年度) |
重要技術研究開発費補助金 通商産業省 題目:「光応用酸化物単結晶の製造に関する応用研究」 |
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1983 (昭和58年度) |
技術改善費補助金 名古屋通商産業局 題目:「高周波弾性表面波用ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム単結晶の育成と評価に関する研究」 |
1986 (昭和61年度) |
技術改善費等補助金 名古屋通商産業局 題目:「高出力、高品質YAGレーザー、ロッドの試作」 |
1996 (平成8年度) |
技術改善費等補助金 中部通商産業局 題目:「次世代GHz帯弾性表面波デバイス用タンタル酸リチウムウェハー及び光デバイス等偏光素子用ニオブ酸リチウムウェハーの超高平坦加工技術とその評価に関する研究」 |
2003 (平成15年度) |
地域新規産業創造技術開発費補助金 中部経済産業局 題目:「ゾルゲル法による高度光学用単結晶エピタキシャル膜の開発及び評価並びに次世代光応用デバイスの開発」中部大学工学部応用化学科 教授 高橋 誠 研究室 |
2010 (平成22年度) |
希少金属利用産業等高度化推進補助金 経済産業省 題目:「タングステン、モリブデン、タングステン・モリブデン合金を全く使用しないLED光源用GaNエピ用基板に用いられる単結晶サファイアの製造設備の導入」 |
2012 (平成24年度) |
円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業費補助金 経済産業省 題目:「急激なスマートフォン需要増を背景としたSAWフィルター素子用基板であるタンタル酸リチウム・ニオブ酸リチウム単結晶の生産拡大に係る先端生産設備導入事業」 |
大口径単結晶の量産技術
ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶は、弾性表面波(surface acoustic wave )を応用したのSAWフィルター材料に代表されます。
これらSAWデバイスなどが牽引力となり、ニオブ酸リチウム単結晶・タンタル酸リチウム単結晶は、その世界的な需要とともに酸化物単結晶を代表する地位を築いてきました。
YCCでは、結晶の大型化と高品質化が求められる中で早くから5インチφ(125mmφ)、6インチφ(150mmφ)の単結晶開発に着手。単結晶育成条件の高精度化を追求し、1998年に6インチφニオブ酸リチウム単結晶の量産化に成功、2001年に5インチφ、6インチφタンタル酸リチウム単結晶の量産化に成功しました。
私たちは次世代スマートフォン、次世代大容量高速通信網時代に向けて、大口径ウェハーに求められる数々のスペックを更新していきます。
次世代光通信用
ウェハーの開発
1960年代後半よりニオブ酸リチウム単結晶・タンタル酸リチウム単結晶は電気光学効果・非線形効果を有することが発見されて以来、その特徴を活かした多くの研究がなされ、光通信分野を中心として多岐にわたるアプリケーションが展開・実用化されています。
YCCでは、早くから次世代光用材料としてのニオブ酸リチウム・タンタル酸リチウムの可能性を探求し、単結晶に求められる光学的特性と均質性をさらに追求することを開発テーマとしてきました。
不純物低減を図るため原料高純度化、キュリー点測定における単結晶組成の厳密な管理と結晶育成温度環境の制御、それらを高次元で融合することにより光用6インチφニオブ酸リチウム単結晶(Optical-grade LN)、光用タンタル酸リチウム単結晶(Optical-grade LT)の開発に成功しました。
私たちは近年のアプリケーションの多様化に応えるべく、長年に亘り蓄積された単結晶製造ノウハウを活かしながら、瞬発力のある研究開発を重んじています。
高機能単結晶が導く「次世代フォトニクス材料」への挑戦
次世代フォトニクス分野に不可欠な光波長変換素子向け材料としてマグネシウム添加ニオブ酸リチウム単結晶(MgO:LN)が注目を浴びています。
ニオブ酸リチウム(LN)に緑や青色レーザーのような短波長光を照射すると光誘起屈折率効果(Photo-refractive effect)いわゆる光損傷( Optical damege)が生じ屈折率変化がおきてしまいます。
このような現象を抑えるべく、耐光損傷性の向上に有効なマグネシウムをドーパントとして材料開発が進められてきました。
マグネシウム添加ニオブ酸リチウム(MgO:LN)に要求されるスペックは、主に光損傷(Optical damege)に強いということと吸収損失が少なく結晶内屈折率の変動がないということがあげられます。
YCCでは、1988年にマグネシウム添加ニオブ酸リチウム(MgO:LN)の開発をスタートしました。
常に単結晶育成条件の最適化、原料不純物の低減を図ることにより、かつてマグネシウム添加ニオブ酸リチウム(MgO:LN)が問題とされてきたマグネシウムの偏析問題を解消することに成功し、サブグレインバウンダリーフリー化(Z-axis)、光透過率の波長依存性を大幅に改善し光散乱因子を高次元で抑制することに成功しました。
私たちは、マグネシウム添加ニオブ酸リチウム(MgO:LN)のさらなる可能性を追求すべく、長年にわたり蓄積された単結晶育成ノウハウをベースとして創造的な単結晶育成をすすめています。
トピックス
ニオブ酸リチウム単結晶、タンタル酸リチウム単結晶は、表面弾性波(SAW : Surface Acoustic Wave )を応用したテレビ用、携帯電話用などのSAWフィルター材料として代表されますが、その一方で1960年代後半に電気光学効果・非線形効果を有することが発見されて以来、その特徴を活かした多くの研究がなされ、多岐にわたるアプリケーションが展開・実用化されています。
固体レーザーの実用化とともに、これらニオブ酸リチウム単結晶・タンタル酸リチウム単結晶を用いたデバイスは、1970年代後半に光学的特徴を生かしたレーザー光による光情報伝達(光通信)の機運が高まり、これまでにも多くの光通信デバイスが実用化されてきていますその代表となるのはニオブ酸リチウム光変調デバイスです
1種類の光から波長の違う光を何種類も作り出し、それを1本の光ファイバーに混ぜて送り、受信側において波長別に分けて光信号をとりだす従来の1種類の波長だけを使う場合に比べて何倍もの大容量伝送が可能になる波長多重通信(WDM : Wavelength Division Multiplexing)の変調器として、ニオブ酸リチウムは採用されています。
このようにニオブ酸リチウム・タンタル酸リチウム光機能デバイスは光通信ネットワークにおいて大きな役割を果たしており、次世代の大容量超高速光通信分野においても偉大な可能性を秘めていると考えられています
また、最近ではニオブ酸リチウム単結晶にミクロンオーダーの周期分極反転構造を作成し任意の波長をつくりだす擬似位相整合(QPM・・・Quasi-Phase Maching)デバイスが実用化され広範囲な波長シフトが可能になり光通信分野に限らずあらゆるフィールドでニオブ酸リチウム光機能デバイスが実用化されています。